決断を迫る程どんどんお客は逃げていく理由
今回は僕が体験した、とある営業マンのお話です。
『とてもお得なキャンペーンですよ!』
『今月限定ですから是非この機会に!!』
といった具合にお得らしいサービスを勧められました。
でも僕には何がお得なのかが全く理解できなかったので、
「何だか怪しい」と思い、断りました。
しかし一度断ったにも関わらず、数日後更にプッシュをかけてきたのです。
「いや、いらないって…」と思いながらも、
念のため、もう一度そのキャンペーン内容を思い返しましたが、
やはりその気にはなれませんでした。
何しろ、その営業マンは説明不足すぎて、内容がイマイチ理解しがたいものだったので、
再検討しようにもそのメリット、デメリットの洗い出しすらできなかったのです。
とはいえ「実はお得なのかもしれない」と、わずかな希望を胸に
少ない説明の中から自分なりに解釈しましたが、いいように取れば多少お得かもしれないけど、悪いように取れば損、という結論になりました。
そんな微妙なキャンペーンに誰が乗るんだ?と思いながら、
結局、強めに拒否することにしました。
さて、
このお話で分かる気付きのポイントは、
『商品やサービスを売る際は、多くの情報を見込み客に与える必要がある』
ということです。
人は誰でも、よく解らない怪しいものにお金を払おうとはしません。
それが駄菓子程度の金額なら面白半分に試してみようかという
気分になることはあるかもしれませんが、
数千~数万円単位の物になってくると話は変わってきます。
当然ですがためらいますよね。
◆「本当に買うべきか?」
◆「ホントにお得なのか?」
◆「実は損なんじゃないだろうか?」
などと、あれこれ買わない理由を考えてしまうのが人間の心理です。
これは失敗したくないという感情からきています。
もっというと、それは心の深層にある生存欲求からの訴えでもあるのです。
人間のDNAには太古の昔からたくさんの情報が詰め込まれていますが、
大昔は厳しい環境下で少しの判断ミスが命取りになることが多かったために、
【失敗=死】という恐怖の記憶が染みついているのですね。
ですから、例外なく誰もが失敗を嫌いますし、避けて通ろうとします。
失敗を恐れる理由はもう一つあります。
僕たちは幼い頃から、あれをしてはいけない、これをしてはいけないと徹底的に失敗をしない教育をされてきました。
中学高校になればテストで点数をとらないと落第だとか、受験の失敗は人生を左右するなどと大人たちに脅されるので、失敗をしてはいけないように誘導されます。
そして大きくなってからも「恥をかかないように振舞わないといけない」と無言の内に強要される常識重視の社会に徹底的に教育されてきました。
こうした「失敗すること=悪」でしかないような環境でガチガチに固められた社会で生きている僕たちは、
正解しか求めない、【完全なる安全思考】にマインドセットされているのですね。
お客というものはこのように失敗したくないがために、あれこれ買わない理由を考えてしまう傾向にあるわけです。
内容をしっかり相手に伝える
もう基本中の基本なことですが、
オススメしているものを買ってもらいたいならば、
その商品の説明や、サービスの内容くらいは、詳細に説明しなければいけません。
時間の都合で「事細かに詳しく」とまではいかない場合もあるでしょうから、
大まかにでも、相手が理解できる程度までは説明するのが当然です。
誰だってワケの分らないものにお金を出そうとは思いませんからね。
それなのに、ただ『お得ですよ!』と言われても、「本当にそうか?」としか思えないのですね。
相手が理解できていない段階で売り込みをかけても、引かれてしまうだけです。
そして一度うさんくさいと思われたら挽回するのが難しくなります。
直接の対面販売なら特にその傾向が強いですね。
それでは、もう少し踏み込みましょう。
売るために重要なのは内容の説明やスペックの説明だけではありません。
相手のメリットになることを、しっかり伝えることです。
その商品を買う事のメリット、そのサービスを受けることのメリットをしっかり理解してもらわなければ、売れることはまずありません。
何故なら、お客さんからすれば買う理由がないからです。
今回の僕の体験談でもそうですが、
「実際に何がお得か全く解らなかった」のが問題だったのです。
僕はこの時、本当にすごくお得なんだったらお金を払ってもいいと思っていました。
ですが、何がどのようにお得なのかをキッチリ教えてくれなかったために、
僕は警戒心が沸いてきて、結局拒否する結果に終わりました。
しっかりメリットを伝えることは、とても重要なことなのですね。
今回は対面での話でしたが、僕らがやっているのはアフィリエイトビジネスです。
ネット上ですべてが完結するこのビジネスは文章によって成り立っています。
見込み客に何かを売りたい場合も文章で行います。
文章だから対面販売ほど緊張感はありませんが、もちろん相手に警戒心を抱かせてしまってはダメですよ。
そういった意味でも、読み手に対する想いやりが重要になってきます。
メリットをしっかり伝えることも、商品の内容を伝えることも相手に対する想いやりがなくては届くはずのメッセージも届かないものです。
この”想いやり”というのは、
「読み手が得をすることは何なのか」を理解しやすいように教えてあげることです。
それをイメージしやすいような分かりやすい言葉で文章をつづるということですね。
僕が営業マンに『お得ですよ』と言われた時にイラッとしてしまったのは、その想いやりがなかったからです。
バカでも分かるくらいの簡単な全体説明くらいすればいいものを、
さっさと売りたいがためにいきなり「買え」と決断を迫って来たからです。
つまり彼は自分の利益しか考えていなかったのですね。
これが想いやりがあるかどうかの差です。
僕たちのやっているブログアフィリエイトでも同じです。
訪問してきた見込み客に対して、いきなり買えと決断を迫っても絶対に商品が売れることはありません。
ではどうやったら売れるというのか?
せっかくですからそれもお伝えしておこうと思います。
なぜ見込み客に対して、いきなり買えと決断を迫っても商品が売れることはないのか?
それは、ものを売るには段階があるからです。
興味・関心
信用・共感
行動
この3つの心理的段階を順番に越えていかないと商品が売れることはないのですね。
商品に興味を持ってないお客に、いきなり購入(行動)を迫っても売れません。
あなたを全然信用してもいないのに、いきなり購入ボタンを押せと言っても逃げられます。
人は例外なく誰もが失敗を嫌いますし、
失敗を避けて通ろうとする性質があるということはすでにお伝えしましたね。
勧められているものが例え2~3千円くらいの物だったとしても人は悩むものです。
失敗して損したような嫌な気分になりたくないからですね。
そうした失敗への不安を一つずつ取り除くことによって、ようやく商品が売れるのです。
その不安を取り除く作業が3つの心理的段階を越えていくということなのです。
これを無視していきなり何かを売りつけようとしても抵抗が生じてしまうのですね。
決断を迫るごとにお客は逃げていく理由がお解りいただけいたのではないでしょうか。